オンラインゲームの配信プラットフォーム『Steam』の利用規約を読んでみたところ、色々と興味深い事が書かれていましたのでそれについて書きます。
いまさら利用規約を読んでみようと思ったのは、 james-the-messer さんに投稿してもらった下記の記事がきっかけです。
利用規約にはどのように書かれているのでしょうか? 英語で書かれた規約を読むのは辛そうだと思って検索したところ、 現在は日本化された利用規約が公開されているのでこちらを読んでみました。
Steam の利用規約を読んであらためてわかった事
いくつか個人的に気になった点について紹介していきます。 引用は、2011年3月20日時点でのSteam 利用規約ページから行なっています。
1. Steam を利用している時点で規約に同意している
Steam は、Valve Corporation(以下「Valve」)が提供するオンラインサービス(以下「Steam」)です。 お客様は、Steam クライアントソフトウェアをインストールして、Steam 関連の登録を完了した時点で Steam のユーザー(以下「ユーザー」)となります。またユーザーになると、ユーザーのみが利用可能な所定のサービス、ソフトウェア、およびコンテンツ(以下「利用権対象物」)を利用する権利(以下「利用権」)を取得できます。 ユーザーは、本規約に同意して Steam サービスを利用することで、Valve と本規約を結んだこととなります。
規約を読んでいなくても利用している時点で同意している事になります。
2. 認定されていないネットカフェ等が無断で Steam ゲームを営利目的で提供することは出来ない
認定サイバーカフェ認定運営業者(定義は後述)でないユーザーは、本規約を根拠に、Steam ソフトウェア(定義は後述)またはその一部を営利目的で利用できません。なおこの利用にはサイバーカフェ、ゲームセンター、またはその他類似の場所での利用が含まれますがこれらのみには限定されません。「サイバーカフェ」とは、特定の物理的な施設のうち、設置されているコンピュータを各顧客が利用できるような施設をいいます。「認定サイバーカフェ運営業者」とは、特定のサイバーカフェ運営業者のうち、認定サイバーカフェ認定運営業者に適用される利用権対象物に関する規定(http://store.steampowered.com/cybercafe_agreement/に掲載。またこの語句の定義は後述)に同意している業者をいいます。
認定サイバーカフェになっているお店は以下から見ることができます。
常時更新されているかはよくわかりません。 サイバーカフェの登録料については、以下の記事に書かれています(2004年時点)。
3. アカウントの販売や貸し借り禁止
ユーザーは、Steam ソフトウェアを自己使用する権利がありますが、次の(i)から(iii)のいずれかを行う権利はありません。(i)Valve より書面による事前許可を得ることなくなんらかの方法で次の(a)から(e)のいずれかを行うこと、(a)Steam ソフトウェアの複製物を第三者へ販売する、(b)上記複製物へ第三者を権利者とする担保権を設定する、(c)上記複製物を第三者へ譲渡する、(d)Steam ソフトウェアを賃貸する、(e)上記ソフトウェアの使用を許諾する、(ii)インターネット経由のネットワークプレイ環境や、営利のまたは非営利のゲームプレイネットワーク、あるいはコンテンツアグリゲーションネットワークの一部を利用したネットワークプレイ環境の実現を含みますがこれらのみには限定されない何らかの目的で、Valve より書面による事前許可を得ることなく次の(a)から(c)のいずれかを行うこと、(a)Steam ソフトウェア向けの仲介サービスを主催または提供する、(b)Valve が Steam ソフトウェアのネットワーク機能用として使用している通信プロトコルを、プロトコルエミュレーション、トンネリング、あるいはSteam ソフトウェアコンポーネントの修正または追加などの手法でエミュレートまたはリダイレクトする、(c)既知のまたは今後開発予定のユーティリティプログラムか他の技術を使用する、(iii)Steam ソフトウェアかその一部を営利目的で利用すること。
一番最初に紹介したアカウントを販売しようとしたユーザーはここに引っかかっていたわけですね。 Steam のソフトを貸すのもダメです。 実際にソフトは貸せないので、アカウントを貸すのはダメという風に解釈できると思います。 下記の項目内でも、個人のみがゲームを利用出来るという内容が出てきます。
4. ユーザーが買っているのはゲームではなく使用権
Valve は、本規約の規定と利用権対象物に関する規定に従って Steam ソフトウェアを個人利用することのみに許諾内容を限定した非独占的な有期ライセンスを付与し、ユーザーはこれを取得します。 Steam ソフトウェアは販売するものではなく、使用を許諾するものです。 ライセンスとともに、Steam ソフトウェアに関する権原または所有権が付与されることはありません。
Steam ユーザーはゲームを一本も持っていないということになりますね。
5. チート、ダメ。ゼッタイ。
Steam および Steam ソフトウェアは、Steam ソフトウェアまたは他の Valve 製品のマルチプレイヤー版、あるいはこれらの修正版のプレイ中に、特定のプレイヤーが不当な方法で他のプレイヤーより優位にゲームをプレイすること(以下この行為を「不正行為」)を可能にするプロセスまたは機能を実現するためのソフトウェアまたはハードウェアを識別する機能を含んでいる場合があります。ユーザーは、不正行為を生みだしたり、第三者を後押しして不正行為を生みだしたりしないことに同意しているものとします。ユーザーは、不正行為を防止するか報告する機能を持つソフトウェアの稼働を直接または間接的に停止させたり、このソフトウェアによるチェックを回避したり、このソフトウェアの稼働を妨害したりしないことにも同意しているものとします。 Valve またはマルチプレイヤーオンラインゲームの主催者は、Steam または Steam ソフトウェアと関係のある不正行為に従事したユーザーが特定のマルチプレイヤーオンラインゲームへ参加することを拒否できることについて、ユーザーは承知および同意しているものとします。 また、上記主催者はユーザーの不正行為を Valve へ報告でき、Valve はユーザーの不正行為履歴を他のマルチプレイヤーオンラインゲームの主催者へ通知できることについても、ユーザーは承知および同意しているものとします。 Valve は、なんらかの行為または活動のうち、Valve が違法、不正行為に該当する、または他のユーザーによる Steam の利用に悪影響を及ぼすと判断した行為または活動に従事したユーザーのアカウントまたは特定の利用権を無効化できます。 Valve は、ユーザーの利用権および/またはアカウントを無効化する前にその旨をユーザーへ通知する必要はないものの通知を選択できることについて、ユーザーは承知しているものとします。
チートツールを作るのも使うのもダメ。 Valve さんは該当者のアカウントを停止したり出来ます。
6. アカウントの停止について
ユーザーか Valve は、ユーザーアカウントか特定の利用権を随時無効化できます。ユーザーアカウントか特定の利用権を無効化することは、Valve とのなんらかの対立に伴いユーザーが行使できる唯一の権利および救済権であることについて、ユーザーは理解および同意しているものとします。
Valve のやり方等に気に入らない事があった場合、ユーザーは Steam を使うのを辞める事が出来ます。 また、Valve さんはこの規約によってユーザーが利用規約に反していた場合などに アカウントを停止する事が出来ます。
販売対象エリア外のゲームを特定の方法で回避して購入する行為については具体的な説明なかったと思います。 どこかを解釈するとその部分に該当するようになっているのかも知れませんが。
かなり興味深いので、Steam を利用されている方は 利用規約を全部読んでみる事をおすすめします。