「2018年は日本のeスポーツ元年と言われており」――今年のWebニュース記事でよく見かけるようになったキーワードです。では、2018年を「eスポーツ元年」と言っているのは誰なのでしょうか。
「eスポーツ元年」はいつなのか、誰が言い始めたのか
先日eスポーツイベントで雑談している際に質問されて簡単に答えさせていただいたのですが、みんな「eスポーツ元年」が好きすぎるのでより詳しく書いてみることにしました。
「eスポーツ元年」は毎年登場するキーワードで、自分がやっている個人ニュースサイト『Negitaku.org』のアーカイブとしては「ゲーム批評」の2006年3月号にて『2006年はe-Sports元年だ』という特集記事が掲載されているという記録があります。
参考:「eスポーツ元年」記事まとめ 2006年からの「eスポーツ元年」という表現を含むメディア記事を集めています。
自分が記録している中ではこのようになっていますが、もっと前から存在している言葉である可能性はもちろんあります。最初に言ったのが誰なのかは残念ながらわかりません。
ただ、2018年を「eスポーツ元年」にしようとしている人が誰かと聞かれれば、それは慶應義塾大学大学院の中村伊知哉教授です、というのが自分の答えになります。なぜなのでしょうか。
自分はこの「eスポーツ元年」というキーワードが毎年出てくるのが面白すぎて、ある時期からこのワードに関する情報を定期的にチェックしています。その中で最も頻繁にこの言葉を発信しているのが中村教授で、そもそも2017年に「来年を、日本eスポーツ元年として歴史に刻む年にしたい。よろしく」というツイートをされています。
あいさつ4。最重要は、社会的な認知を上げること。カッコいい、もうかる、大事だ、という認識を拡げること。今回の大会は、単なる一つの大会ではなく、大きな流れを作る一歩。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2017年11月18日
来年を、日本eスポーツ元年として歴史に刻む年にしたい。よろしく。
これを含め2017年に9件、2018年には28件のツイート、2件のブログ記事を書かれています。公の場でも「2018年をeスポーツ元年に」ということを発言され、それをメディアが拾っていくうちにいつのまにか「2018年は日本のeスポーツ元年と言われており」がテンプレ化したのが2018年に「eスポーツ元年」を含む記事が大量に出てくるようになった理由というのが自分の認識です。
また、同計画に内閣府 知的財産戦略本部委員会座長として関わった、慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉氏も登壇。昨年、「2018年を日本のesports元年に」と提言したことを、行政の動きやJeSU設立によるプロ化もあり実現したと結論付け、新たに「2020年には日本がesportsで輝く存在に」との目標を提示した。
2018年5月くらいから「eスポーツ元年」を含むメディア記事をハッシュタグ「#eスポーツ元年」と共にツイートして記録しているので、気になる方は合わせてチェックしてみてください。
以下は中村教授の発信記録です。
ツイート
2017年
あいさつ4。最重要は、社会的な認知を上げること。カッコいい、もうかる、大事だ、という認識を拡げること。今回の大会は、単なる一つの大会ではなく、大きな流れを作る一歩。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2017年11月18日
来年を、日本eスポーツ元年として歴史に刻む年にしたい。よろしく。
VCのみなさま、日本のeスポーツは来年が元年になります。国際大会を開けるよう規制当局とのすりあわせが進み、団体の統合も行われてプロ化が本格化します。スタジアム作りやネット配信も進みます。ぜひ日本市...https://t.co/K97qBySWDM #NewsPicks
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2017年11月25日
eスポーツについてインタビューを受けました。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2017年11月28日
2018団体統一→プロ認定→賞金規制回避→大規模イベント実施→eスポーツ産業化。2018は日本eスポーツ元年。
2018平昌プレ→2020東京プレ→2022アジア大会正式種目。→2024パリオリンピック正式種目化。金メダル取るぞ!
ブババブババブババー
来年を日本のeスポーツ元年にしたい。よろしく!
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2017年11月28日
「デジタルメディア協会がeスポーツ大会の賞金を支援 まずは「闘会議」の大会に1000万円」https://t.co/EZqQtMr1eQ
日本eスポーツ協会JeSPA理事会@浜松町。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2017年12月4日
JeSPAを解散し、新組織を設立する件、了承。
これで日本のeスポーツ団体は統一され、プロ認定、JOC加盟へ進み、おカネもかけられることになり、来年、eスポーツ元年を迎えます。
これにてぼくの役割は終了。
おつかれさまでした、ぼく。
閉店ガラガラ
Twitchの有料サービス開始。「Amazonプライム」がお急ぎ便やプライムビデオに加え「Twitch Prime」も特典追加になる。いよいよeスポーツ元年を迎える日本、準備が整ってきました。 / ゲー...https://t.co/2sJHgg9WjI #NewsPicks
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2017年12月6日
団体統合とプロ認定が実現する2018年、日本はeスポーツ元年となることが見込まれます。2020年、東京で国際大会を開きましょう。2024年パリ五輪での正式種目化を後押ししましょう。 / 五輪でオンライン...https://t.co/I2huwkC3R5 #NewsPicks
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2017年12月8日
eスポーツ3団体が統合、プロライセンス発行、その幕開けをニコニコ闘会議で行います。2018は日本のeスポーツ元年となります。よろしく! / eスポーツ:国内初のプロライセンス発行が決定 (毎日新聞)https://t.co/OHVkFW3vmG #NewsPicks
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2017年12月14日
2018年、日本のeスポーツ元年です。団体が統合され、プロ化して、賞金規制も回避の道が開かれます。そうなるとわかったタイミングでこういうことをしてくださる。わかってるねぇ。 / サイバーエージェント系、...https://t.co/YcKUV2t7Fv #NewsPicks
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2017年12月25日
2018年
先月のeスポーツ統一団体「日本eスポーツ連合」の発足から、吉本興業の参入、そしてJリーグと日本のeスポーツ元年の動きが本格化してきました。 / Jリーグがeスポーツに参入発表、優勝者はFIFA公式大会予選に出場 (サッカーキング) #NewsPicks https://t.co/lmCkizNpQ0
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年3月9日
スポーツマネジメントに熱心な吉本興業がeスポーツ企業としてチャンピオンフラグを取るとともに、6000人の芸人を抱える吉本が新しい楽しみ方・鑑賞法も開発してくれることを期待します。2018年は日本のeスポーツ元年。日本がeスポーツ大国に成長することを祈ります。」
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年3月10日
20世紀 工業社会が生んだモータースポーツのF1がクルマ技術の先端を拓いたように、21世紀 情報社会のeスポーツがITの先端を拓く。 / 日本も「eスポーツ元年」か いま熱いゲーミングPCの魅力 (ITmedia NEWS) #NewsPicks https://t.co/lMM8khZwZF
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年3月16日
ゲームライブ配信最大手Twitchが親会社Amazonとの連携を本格化。今年は日本のeスポーツ元年。日本での展開にも本腰が入ります。 / 無料で毎月ゲームがもらえるAmazonプライム会員特典「Twitch Prime」がスタート (GIGAZINE) #NewsPicks https://t.co/nvTOk78865
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年3月17日
総額6,000万円。決勝大会に進出する6チームに日本eスポーツ連合がプロライセンスを発行。日本のeスポーツ元年、弾みがついてきました! / 優勝なら3000万円、eスポーツ「モンストGP 2018」 (ナリナリドットコム) #NewsPicks https://t.co/EcQSNFu4Mm
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年3月22日
制度整備やプロチーム結成などのインフラは整い、大きな大会も開かれていく。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年6月13日
政府・知財計画にもeスポーツ発展のための環境整備が盛り込まれる見通し。
2018は日本のeスポーツ元年。離陸期へ。
取材、受けました。日本eスポーツ元年。これからです。本日午後、幕張Interop会場にてtwitch中村鮎葉氏と対談します。 / ゲーム大国・日本は出遅れ (日本経済新聞) #NewsPicks https://t.co/rjeXCfK4i0
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年6月14日
筧さん3。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年7月1日
LoL大会が幕張に4千人を集めたが、世界の7年前の状況。韓国からみれば日本は10年遅れ。
2024年パリ五輪公開競技、2028年ロス五輪正式種目化、ではないか。
→今年が日本eスポーツの元年。育てましょう。
2018年は日本eスポーツの元年。知財計画2018でも初めて「eスポーツの発展」が盛り込まれ、国も認知しました。ポップ&テック特区のCiPもeスポーツに注力します。8/21にはeスポーツを含むポップ&テックイベント「YouGoEx」を開催します。盛り上げていきましょう。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年7月15日
「よしもと☓eスポーツ!」
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年7月15日
ブログにアップしました。
吉本興業がeスポーツ事業に本格参入。いろんな業界からの参入で賑わい、今年が日本eスポーツの元年になります。https://t.co/taYUjlGZfT
今年は日本のeスポーツ元年。Jリーグやプロ野球、セガやmixiや吉本興業や毎日新聞、参入が相次ぎ大型大会も開かれるように。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年7月25日
これは統一団体JeSUの発足や消費者庁の規制クリア法の明確化なども手伝った結果です。IOCも五... #NewsPicks https://t.co/D4QgICeWrP
次長課長がMCを務めた「eスポーツ」、現役のプロゲーマーなどがeスポーツについて議論しました。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年8月26日
現場ではeスポーツの急な盛り上がりに戸惑う声が上がるものの、Twitch中村鮎葉氏は「日本はゲーマー人口が多くeスポーツはいけるんじゃないか」との見通しを示します。今年が元年の日本。期待します。 pic.twitter.com/3I84DpSope
その際2018年は日本のeスポーツ元年にしたいと申し上げたが、それは実現しました。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年9月22日
多くの企業が大型の大会を開催し始め、Jリーグや日本野球機構(NPB)もリーグをスタート。
吉本興業が本格参入するなど異業種からの参入も相次いでいます。 pic.twitter.com/kZnzdyiJNl
今年は日本のeスポーツ元年。アジア大会公開競技での金メダル獲得など話題沸騰で、ビジネスも動き始めました。Twitchの視聴者数も世界トップ3に入る急成長。今日まで開催の東京ゲームショウでも主役を... #NewsPicks https://t.co/rcB63Qq8vy
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年9月23日
日本のeスポーツ元年。
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年9月24日
すっかりTGSの主役に。
今年発足した日本eスポーツ連合JeSUがデーンと大会を組んでいます。
auサントリーローソン・・・大きいスポンサーも集まって、ホクホクだそうですw pic.twitter.com/5IfNPNvgK4
最初のフォトにぼくが写っておりますがw、既存3団体が合併した「日本eスポーツ連合(JeSU)」の設立に始まった今年、吉本興業はじめ参入が相次ぎ、eスポーツ元年の活況をみせています。でもビジ... #NewsPicks https://t.co/R9w6XEvJCd
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年10月19日
いえ、eスポーツ後進国だった日本が「元年」を迎えているのは、やっと「産業」の話ができる環境が整ったから。去年までお金の話がなかったことに違和感を覚えていました。 / eスポーツは「有望な新市場」です... #NewsPicks https://t.co/Eu0yPZ568g
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年11月15日
eスポーツ元年の今年、本企画の相談にも乗っていました。プロの認定やオリンピックへの道を開くとともに、ジュニア層の育成と社会認知が重要。高校野球のように新聞社が大会を開くのは有効で... #NewsPicks https://t.co/1kBoNMPpSS
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年12月5日
団体分裂と賞金規制の問題を解決した2018年、日本はようやくeスポーツ元年を迎えました。すると海外からの攻勢を受ける。日本の業界も好機を活かしてね。 / eスポーツ人気 海外メーカーが日本で販売強化 (NHKニュース) #NewsPicks https://t.co/x1y51zn6y6
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年12月9日
日本のeスポーツ元年を締めくくるにふさわしいニュース。高額賞金大会が開催され、日本選手が獲得するようになりました。eスポーツ大国への道を進もう! / eスポーツ大会で日本人に1億円 国内開催では最高賞金額 (共同通信) #NewsPicks https://t.co/tvUJhlrvtx
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年12月16日
2018年、eスポーツ元年になりましたね〜 https://t.co/47iwisNBKt
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年12月18日
前年比13倍!団体統一、プロ認定、賞金規制クリア。昨年末から汗をかいた措置が効いて、eスポーツ元年が到来しました。次はeスポーツ大国を目指しましょう。 / eスポーツ市場はなぜここまで拡大したのか (ニュースイッチ) #NewsPicks https://t.co/rix2xn1csq
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年12月19日
「東京ゲームショウ2018」
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年12月19日
ブログにアップしました。
ビバeスポーツ元年。https://t.co/taYUjlYA7r
eスポーツ元年のTGSです。 https://t.co/Ar2nJjQswE
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年12月20日
団体統一とプロ化を通じた規制クリアなどで元年を迎えた日本のeスポーツ。課題は山積だが、記事の最後にあるとおり「材料は全てある」ので、活かして、大国への道を進みたい。 / eスポーツ後進国・日本 ゲーマーが「アスリート」と呼ばれぬ理由 (shiRUto) #NewsPicks https://t.co/O1FbmMH6oZ
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年12月20日
eスポーツ元年を締めくくる勢いのあるニュース。リーグオブレジェンド、来年のプロリーグを、よしもとなど3社共同による運営が決定。賞金総額2700万円、「ヨシモト∞ホール」で全試合を実施、Twitc... #NewsPicks https://t.co/97RiXfiHJA
— 中村伊知哉 (@ichiyanakamura) 2018年12月26日
ブログ記事
日本のeスポーツ元年。 すっかりTGSの主役に。 今年発足した日本eスポーツ連合JeSUがデーンと大会を組んでいます。 auサントリーローソン・・・大きいスポンサーも集まって、ホクホクだそうですw
2018年は日本eスポーツの元年。 知財計画2018でも初めて「eスポーツの発展」が盛り込まれ、国も認知しました。 ポップ&テック特区のCiPもeスポーツに注力します。 盛り上げていきましょう。
そして、2019年のeスポーツ元年があと数日でやってきます。 2019年もよろしくお願いいたします。